○峡東地域広域水道企業団情報公開条例

令和5年3月28日

条例第4号

峡東地域広域水道企業団情報公開条例(令和3年峡東地域広域水道企業団条例第2号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 行政文書の開示(第5条―第16条)

第3章 審査請求等(第17条―第19条)

第4章 補則(第20条―第24条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、行政文書の開示を請求する住民の権利について定めることにより、企業団運営への住民参加を促進し、企業団運営に対する住民の理解と信頼を深め、公平で開かれた企業団運営の実現の推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、「実施機関」とは、企業団の企業長、監査委員及び議会をいう。

2 この条例において、「行政文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム(マイクロフィルムを含む。)及び電磁的記録(電子的、磁気的その他、人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、一般に容易に入手することができるもの又は一般に利用することができる施設において閲覧に供されているもの及び歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別に管理されているものを除く。

3 この条例において、「行政文書の開示」とは、実施機関が行政文書を閲覧若しくは視聴に供し、又は行政文書の写しを交付することをいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては行政文書の開示を請求する住民の権利を十分尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

2 実施機関は、行政文書の開示にあわせ、企業団運営に関する正確で分かりやすい情報を積極的に提供するよう努めなければならない。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより行政文書の開示を受けた者は、これによって得た情報を、この条例の目的に則して適正に使用しなければならない。

第2章 行政文書の開示

(行政文書の開示請求権)

第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。

(行政文書の開示請求手続)

第6条 開示請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。ただし、実施機関が開示請求書の提出ができないと認めたときは、この限りでない。

(1) 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の名前

(2) 行政文書の名称その他開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項

(3) その他実施機関の定める事項

2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(行政文書の開示義務)

第7条 実施機関は、行政文書の開示の請求(以下「開示請求」という。)があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求した者(以下「開示請求者」という。)に対し、当該行政文書を開示しなければならない。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作、その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。次条第2項において同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報

 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

(2) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報を除く。

 開示することにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの

 実施機関の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの

(3) 開示することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報

(4) 企業団並びに国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

(5) 企業団又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの

 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ

 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ

 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ

 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ

 独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

(部分開示及び時限開示)

第8条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。

2 開示請求に係る行政文書に前条第1号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が含まれている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等及び個人識別符号の部分を除くことにより、開示しても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

3 実施機関は、不開示情報に該当する情報が記録された行政文書であっても期間の経過により当該行政文書を不開示とする理由がなくなったときは、当該情報を開示しなければならない。

(公益上の理由による裁量的開示)

第9条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が含まれている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができる。

(行政文書の存否に関する情報)

第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。

(開示請求に対する措置)

第11条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し規則で定める事項を書面により通知しなければならない。

2 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

3 実施機関は、行政文書の全部又は一部を開示しないときで、当該行政文書の全部又は一部を不開示とする理由がなくなる期日を明示できるときは、その期日を前2項の規定による通知に記すものとする。

(開示決定等の期限)

第12条 実施機関は、第6条に規定する開示請求書を受理したときは、開示請求があった日から15日以内に、開示の請求に係る行政文書の開示の可否を決定しなければならない。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を15日以内に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

(開示決定の期限の特例)

第13条 前条の規定にかかわらず、開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため、開示請求があった日から30日以内にそのすべてについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、実施機関は、開示請求に係る行政文書のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの部分については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) この条の規定を適用する旨及びその理由

(2) 残りの行政文書について開示決定等をする期限

(第三者に対する意見書の提出機会の付与等)

第14条 開示請求に係る行政文書に国、地方公共団体及び開示請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者から開示の可否等についての意見を聴くことができる。

2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る行政文書の表示その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

(1) 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を開示しようとする場合であって、当該第三者に関する情報が第7条第1号イ又は同条第2号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第9条の規定により開示しようとするとき。

3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、当該意見書(第18条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。

(開示の実施)

第15条 行政文書の開示は、文書又は図画に記録されているときは閲覧又は写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による行政文書の開示にあっては、実施機関は、当該行政文書が記録されている文書又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

2 行政文書の開示は、実施機関が第11条第1項の規定による通知書により指定する日時及び場所において行う。

(費用の負担)

第16条 この条例の規定に基づく行政文書の開示に係る手数料は、無料とする。

2 行政文書の開示を受ける者は、規則で定めるところにより、実費の範囲内で当該写しの作成その他開示の実施に要する費用を負担しなければならない。

第3章 審査請求等

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第17条 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。

(審査会への諮問)

第18条 開示決定又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に係る裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく峡東地域広域水道企業団情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を尊重して、当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る行政文書の全部を開示することとなった場合(当該行政文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 第1項の規定により諮問をした実施機関の長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る行政文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第19条 第14条第3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求等に係る行政文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る行政文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)

第4章 補則

(行政文書の管理)

第20条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、行政文書を適正に管理するものとする。

2 実施機関は、規則等で定めるところにより行政文書の分類、作成、保存及び廃棄に関し必要な事項について定めなければならない。

(出資団体等の情報公開)

第21条 企業団が出資し、又は財政上の援助を行う法人その他の団体は、財務その他経営状況を説明する情報等その保有する情報の開示に努めるものとする。

2 前項の法人その他の団体とは、企業団が資本金、その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人その他の団体並びに企業団が500万円以上の補助金、助成金、交付金、負担金を交付している法人その他の団体(以下「出資団体等」という。)とする。ただし、地方公共団体の組合(地方自治法(昭和22年法律第67号)法第284条第1項に規定する組合をいう。)は除く。

3 実施機関は、出資団体等が保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、その情報の開示請求があったときは、出資団体等に対してその情報を実施機関に提出するよう求めるものとする。

4 出資団体等は、前項の規定により情報の提出を求められたときは、速やかにこれに応じるよう努めるものとする。

(他の制度との調整)

第22条 この条例は、他の法令等の規定により行政文書の閲覧若しくは縦覧又は行政文書の謄本、抄本等の交付の手続が定められている場合については、適用しない。

2 この条例は、前項に規定するもののほか、図書館その他実施機関が設置している施設において住民の利用に供することを目的として管理している図書等については、適用しない。

(利便の提供及び運用状況の公表)

第23条 企業長は、この条例の円滑な運用を確保するため、行政文書の検索に必要な資料の整備その他開示請求をしようとするものの利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。

2 企業長は、この条例の運用状況に関し、毎年度公表するものとする。

(委任)

第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。

(適用)

2 この条例は、改正前の峡東地域広域水道企業団情報公開条例(以下「旧条例」という。)の施行の日以後に旧条例又はこの条例による実施機関が作成し、又は取得した行政文書について適用する。

(経過措置)

3 この条例の施行の日の前日までに、旧条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

峡東地域広域水道企業団情報公開条例

令和5年3月28日 条例第4号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 組織・処務/第2章
沿革情報
令和5年3月28日 条例第4号